前回からの続きなので「旅のあれこれ⑪」から先に読んで下さい。
シアヌークビルには僕のお気に入りのレストランがある。
このレストランに行く為だけでもシアヌークビルに行ってもいいと思うくらいだ。
名前を「空海」という。
以前少し書いた事があるが日本人夫婦がやっているお店でビーチのすぐ側にあり「はっぱ」という意味深な、これも日本人がやっているレストランと併設して営業していた。
ここはカンボジアの地方の街でありながら新鮮な刺身が格安で食べられるという奇跡の様な店だった。値段はなんと1.5ドル。当時120円位である。
ここでも僕は刺身の大人買いをしていつも3品くらいの刺身をオーダーしていた。
その魚種も日本では見かけない「バラクーダ」や「ギンガメアジ」など南洋の魚である。従ってあまり美味しいわけではない。大体南洋の魚は身が締まってなく冷たい海の魚に比べて味が落ちるものが多い。
がしかしそんな事は関係ないのだ。
カンボジアの地方の果ての果ての、日本食なんて間違っても思い浮かばなそうな街で刺身がつまめておまけにアサヒスーパードライが飲める。(何故かここにはスーパードライが置いてあった)
ドアも壁もない吹き抜けの店内は天井に物憂げにゆったりと大きなファンが回り、心地よい風が流れる。
店内には粋なジャズが流れとても静かで快適である。
一緒に頼んだ天ぷらや揚げナスの煮びたしなんかも日本人が作っただけあって完璧である。
そう、僕にとってここは海外で食べる日本食レストランとして正に「完璧」な店であった。
(その後ミヤンマーに行く様になりしばらくカンボジアから遠ざかっていたらいつの間にか空海はなくなっていた。いや、移転したらしいのだがビーチ沿いではなく街中の方に行った様だ。今回あらためてネットで調べると情報はとても少ないのだが2021年の情報では営業しているっぽい。
シアヌークビルはもう10年以上行ってないが今ここはカジノが沢山出来ているようであり、機会があれば是非またカジノ旅と同時に訪れてみたいと思っている)