今回の旅は僕としては珍しく連れがいる旅となった。
名前はF君という。
F君は僕の会社の後輩で一時期同じ部署で働いていた元部下である。
5年位一緒に働いていた。
仕事は真面目で能力も高いが何を隠そうアル中である・・・
もちろん仕事中に飲む事はないが私生活では24時間酔っ払っている。
当然、朝の待ち合わせの時も既に酔っ払っていた。
海外に行く時はスカイライナーで飲むのがいいのだそうだ。
ところが案の定、酔っ払って乗り過ごし、成田空港第二ターミナルで降りるところが第一ターミナルの終点まで行ってしまい、そこで目が覚め慌ててタクシーに乗ってやって来たそうだ。
第一と第二は無料連絡バスが5~6分毎に頻繁に出ている。
おそらく知らなかったんだろう。
もったいない。
F君は「やらかす男である」
仕事中は「やる男」である事が多いがやらかす事もある。
一番すごかったのは・・・・・いや、やめておこう。
武士の情けである。
彼は僕の影響を受けて一緒に働いている時から海外へ一人旅をする様になった。
僕がLCC飛行機とアゴダでホテルを取ってあげて、行っておいで、というスタイルである。
今まで少なくとも7~8回は一人旅をしていると思うが、驚いた事にすでに2回も飛行機に乗り遅れている・・・
日本で1回、海外で1回。
人間なかなか海外旅行で飛行機に乗り遅れる事はないが、彼はもう2回も貴重な体験をしている。
特別気象に問題があったわけでも、事故で交通機関が乱れていた訳でもない。
単に酔っ払っていたからだ。
極めつけは海外でパスポートを無くしてしまった事だろう。
人は海外ではパスポートだけは無くしちゃいけない、とそこだけは本当に慎重になるものである。
しかし彼はそうではない。
そう、この男はプライベートでは警戒心、自己管理、慎重さ、注意力、そういったものからは無縁の男である。
彼がもしGなら真っ先にGホイホイに捕まって身動き出来なくなり、「あれっ?」って顔をするであろう。
そんな奴である。
残念ながらバかわいいのである。
ちなみにパスポートは親切にも拾ってくれた人が日本大使館に届けてくれて、そこから彼に電話が来たそうだ。それまで彼は自分がパスポートを無くした事に気付いてなかったという・・・(だんだん書いてて腹が立ってきたよ・・・)
そんな彼と何故一緒に行く事になったかというと、一緒に働いている時から「いつか一緒にいこうな」と社交辞令をしていたのもあるし、コロナ後旅を再開した僕は、時折彼にラインなどで旅の近況報告をしていたのだが、その時「一緒に行ってみたいです」と返信してきた事もある。そして僕がハマったこのバカラというゲームの面白さを彼に伝えたかったのも大きい(彼は僕の影響でカジノに行く様になりブラックジャックなど嗜む)。
そんな様々な理由からF君との旅が始まったのである。
大丈夫か・・・