旅とバカラと酒と本

自分のおももくままに書き綴るブログです

旅のあれこれ⑱ 人生最大の下痢2

(このお話は「旅のあれこれ⑰」から先に読んで下さい)

 

サリームに病院まで連れて行ってもらう事にしたものの一体いくらするのか不安だった。

サリームに「いくら位するのか?」と聞いてみると「フリーだ」という。

よくよく話を聞くと彼は旅行者たるもの保険に入ってインドに来ているだろうから保険会社が払うから無料である、と言っていたのだ。

しかし残念ながら僕はその時保険に入っていなかった。

 

僕には旅行保険に関して痛い思い出がある。

 

初めて海外へ行く時、成田空港で保険に入っておいた方が良かろうと保険会社のカウンターに行くと「これはカモ!」と見抜いたカウンターのお姉さんがこれでもか、これでもかと特約を付け、気が付けば1万円を超える金額を払わされていた・・・

その時は世間知らずの学生で保険に入るなんて経験もなく「高いなあ~」とは思ったもののこんなもんか~と当時の僕にとってめちゃくちゃ大金である1万ちょっとを払うはめになってしまったのだ・・・

一緒に行った友人は保険になど入らず、その旅では保険を使う様な事態は全く起きず、その後、旅行保険は必要な分だけバラ掛けすれば非常に安く入れる事を知り、あの時の旅行保険がいかに不当に高い値段であったかを知った僕は「今後一切旅行保険には入るまい!」と固く誓ったのであった。

 

初心者でコイツはイケる!と見抜いたお姉ちゃん恐るべし、である。

(もちろん今は万が一に備えカードに付帯した保険に入っているけど)

 

そんなこんなで保険に入っていなかった僕は不安ではあったものの、「まあ物価の安いインドであるからして何とかなるだろう・・・」と病院まで連れて行ってもらった。

 

ゲストハウスから5分ほどで着いた病院はインドで見る建物としては破格に綺麗であった。しかし病院には医者がおらずよそから今来るという。

(この様なよく分からない事はインドでは頻繁に起こる)

やって来た医者は恰幅のいいいかにも医者、といった感じの人で穏やかに診察が始まった。

僕の場合、単純な下痢で腹痛、熱などはなかったのだが、まあ下痢止めの薬など出してくれる程度だろう思っていたら、見ると点滴の準備をしているではないか。

慌てた僕は思わず「一体いくらするのか」と思わず聞いてしまった。

すると医者は「ノープレブレム、100ドルほどである」と平然と答えるのであった。

 

1997年当時、インドで米100ドルは結構な大金である。

 

点滴など予想もしてなかった僕は「ノーノーノー、要らない要らない」と断固として断り、すったもんだした挙句、300ルピー(1100円)で注射を打つ事になった。

 

僕が診てもらった病室内では普段着の汚い恰好をした男達が何人かウロウロしており、「こいつら一体何?」と思っていたらベッドにうつ伏せになった僕のズボンとパンツをいきなりこの男達に脱がされ、お尻にいきなり注射を打たれてしまった。

 

「イタ~!!」

 

メチャクチャ痛い注射だった。

この男達は看護婦ならぬ看護師達であった・・・

 

その後、薬をもらいゲストハウスに戻り、結局もう一泊してインド出発当日の朝なんとか下痢が治まり、アグラから無事デリーに戻る事ができた。

今更ながらあの注射の針はきちんと毎回交換してあったのだろうか?そんな事がこの文章を書いている今、気になったりするのであった・・・

 

ちなみにその時メモしたノートに書いてあった病院に行った日の食事。

 

朝 抜き

昼 抜き

夜 バナナ1本(路上で1本3ルピーで3本購入)※1ルピー3.6円

  ビスケット7~8枚

  チャイ(ミルクティー)1杯