旅とバカラと酒と本

自分のおももくままに書き綴るブログです

旅のトラブル①

トラベルの語源はトラブルであると私の好きな作家である開高健氏が以前エッセイで述べておられました。

実際その通りで個人旅行で海外に出ると大きいものから小さなものまで実に様々なトラブルに見舞われます。

記憶に残る様々なトラブルの内のひとつは2001年9月の出来事です。

僕が韓国のソウルの大衆食堂で参鶏湯(サムゲタン)を食べていると食堂のテレビでビルに飛行機が突っ込む映像が流れていた。

テレビからは

「何とかかんとかテロリストスムニダ!!」(テキトーです・・)と韓国語でアナウンサーが少し興奮した口調でしゃべっている。

テロリストという言葉は聞き取れたのでアメリカでテロが起きたのは理解出来た。

(何だか大変な事が起きたなぁ)とぼんやりそんな事を考えていたのを覚えているが参鶏湯をパクつくほうが重要だった。

そして翌朝。

午前の便で成田へ帰る予定だったのでバスで仁川国際空港に到着しユナイテッド航空のカウンターにチェックインすると欠航だという。それもユナイテッドの世界全便!!

 

昨日ビルに突っ込んでいたのはユナイテッド航空の飛行機だったのである・・・

 

 

「あわわわわ・・・」

 

 

慌てました。明日は仕事なので何とか今日帰らないといけない・・・

ユナイテッド航空のスタッフは航空料金は負担するので自分で航空券を確保してきて欲しいという。

そういう事ならとまずは日本航空のカウンターに行ってみた。

すると絶望的な光景が・・・

一体いつになったらカウンターにたどり着けるのか分からないくらいの人達が、最後尾がどこなのか分からないくらい並んでいる・・・

仕方なく並びましたがその苦労むなしく長い時間をかけやっとたどり着いたと思ったらあっさり席はないとの事・・・

その後も全日空やノースウエスト(当時)、大韓航空からアシアナ航空まで全ての航空会社の便が満席で成田に帰る事が出来ません。

当時はまだLCC(格安航空会社)などというものは韓国や日本に存在せずこれらの航空会社が全てでした。

もうすでに空港に着いてから何時間も経っていました。

途方に暮れた僕は最後の頼みとユナイテッド航空のカウンターに戻り、何とかならないかと相談してみました。

よっぽど憔悴している様に見えたのでしょう。かわいそうと思ったのかそのスタッフが日本航空に電話をしてくれたところ福岡行きの便が1席だけ残っていると伝えてくれました。

 

「とりあえず日本に帰れば何とかなる!」

 

そう思った僕はそれに飛びつき、幸いな事にそのまま日本航空の福岡発羽田行きの便に乗り継ぐ事が出来て何とか無事に我が家にたどり着く事が出来ました。

が、しかし早朝ソウルの宿を出発したにも関わらず家に着いたのは夜中近くになっておりました・・・